作家さんひとりひとりの手の温もりに力のかかり具合、気温、窯の中での変化など、
手で作られるうつわは一つとして同じものはありません。
ほんの少しお手入れに気をつかいますが、使ってこそ感じられる風合いの変化、より自分になじんでくる感覚を楽しんでください。
よく見られる特徴をいくつかご紹介します。こういった特徴がうつわの表面に生まれることで表情を豊かにしてくれます。
鉄分の多い陶土をベースに白い化粧泥を施し、その上から透明な釉薬をかけ焼成しています。温かみがあり、優しい表情をもち好きな方も多いのではないでしょうか。粉引のうつわは、通常の陶器よりは強度が弱くなります。白い土が剥がれ落ちてしまったり、吸水性があるためシミがつきやすくお取り扱いには少し注意が必要です。
釉薬の表面が細かく模様のようにひびが入っている状態です。素地と釉薬の間で収縮率が違うため生じるもので、ひとつひとつ入り方も異なります。使い続けることで料理の色などが染みていき、表情豊かな自分だけのうつわに育っていきます。また熱の温度差に弱いです。熱いものを急に入れたりすると貫入が進みやすくなるので使用前にぬるま湯に浸けておいても料理なども冷めにくくなります。
釉薬のかかったうつわには針でプツプツとつつかれたような穴、凹みがある場合がございます。素地に残った有機物がやかれ、焼成後小さな穴、凹みとして残る現象です。
土に含まれている鉄分が焼成の際に反応し、黒点となって器の表面に現れます。
うつわに触れていると小さな突起がある場合もございます。素地に含まれた小石が焼成時、表面に弾けでて現れたものです。
・うつわの底の高台部分を触ってみてください。底面処理はされていますが、うつわによってはざらつきが気になることがあります。
そのまま使用するとテーブルなどが傷つくおそれがあります。敷物を敷いたり、目の細かいサンドペーパーをかけてからご使用ください。
・陶器は吸水性が高く、汚れがしみ込みやすくシミやにおいの原因になります。この汚れをつきにくくしたり、水が染み出るのを防ぐため
粘りのある米のとぎ汁で煮沸する目止めという方法があります。
1.水洗いでうつわの汚れをおとします。
2.お鍋にうつわと米のとぎ汁をかぶる程度に入れ火にかけ、沸騰したら弱火で20分〜30分煮沸します。
3.そのまま冷ましてからうつわを取り出し、ぬめりを洗い流してよく乾かします。
※煮沸の際うつわ同士や鍋底とぶつかり、欠けるおそれがありますので十分お気をつけ ください。
※吸水性があるため、水に浸けたときにシミのようにみえるものができる場合がございます。しっかりと乾かしていただくと元の状態にもどります。
・もう一つ簡単なお手入れ方法として、《 米のとぎ汁や真水にしばらく浸けおいておくだけ 》というものです。
※焼き締めや粉引のうつわは特にシミになりやすいので、米のとぎ汁での目止めをおすすめします。ですが、完璧に防げるということではありません。
あまり神経質にならず、使ってこそ変化していくそれぞれの「味」をおおいに楽しんでいただければと思います。
《お料理を盛り付ける前に》
吸水性のある陶器は使い続けることでどんどん表情が変わっていきます。これが楽しみのひとつでもあります。
より長く色の変化が少ない方がいい方は、さっと水にくぐらせたり、しばらく浸しておき拭いてから使うと油分などがしみこみにくくなります。
《洗い方》
ご使用後はできるだけ早めによごれを洗い流してください。基本的には食器用洗剤と柔らかいスポンジでやさしく洗ってあげてください。
※ 研磨剤の入った洗剤はキズの原因になりますのでご使用は避けてください。使い終わったまま長時間置いておいたり、他のモノと浸け置いておくのは欠けてしまったりシミやにおいの原因になってしまいます。
《収納》
うつわには十分な乾燥が必要です。よく拭いたとしてもすぐには片付けずに完全に乾かしましょう。水気が残ったまま片付けるとカビの原因になってしまいます。収納の際は同じ材質や大きさのものを重ねるようにしましょう。キッチンペーパーなどのやわらかい紙を挟むとキズを防ぎ安心です。
《電子レンジや食洗機のご使用について》
電子レンジ・・長時間のご使用はシミやひび割れと徐々に痛める原因となります。
食洗機・・高水圧によってうつわが動いたりすると欠けることがあります。ご使用はおすすめできません。
※それぞれ商品ページでご使用OKなものでも、雑に入れずしっかりすき間をあけるなり、固定するなどの配慮が必要です。やはり大切にしたいものは手洗いがおすすめです。